自分が多感な年頃を過ごしていた時期にはネットなんて当然無いし、テレビで流れるのはベストヒットUSAとぎんざナウの水曜だか木曜以外はほぼ邦楽なので、情報と言えば本当にラジオと本だった。
本から音は出ないが、評論家と称する先生たちの評を読み、その音楽性を頭の中で空想をして、絞りに絞った1枚のレコードを買っていたものです。
あと、本に掲載されたたった1枚の写真でも音を想像していたな。
今でもジミー・ペイジのレス・ポールの構え方の衝撃は忘れられない。
だって、ほぼ膝の辺りにギターが来るんですよ。
自分もご他聞に漏れず真似して試してみましたが、とてもじゃないが弾けやしない。
後年、演奏映像を観て長年の謎が解けたんですが、ペイジ先生、そうやって弾く際には凄い猫背で弾いているのね。
まあ、それでも充分に大変そうだったが。
そのような数少ない情報で海外からの音楽、特にロックに傾倒するのって、もう涙ぐましい努力が必要だったわけで。
それは洋楽、ロックの評論家たちも一緒で、間違った情報や思い込みも多々あった。
以前、スネークマンショーでも茶化されていましたよね。
ザ・ジャムがデビューした頃、ザ・フーの再来みたいな紹介のされ方をしていたのですが、これはザ・ジャムがモッズ系のルックスのバンドだったからで、だとしたらザ・フーではなくスモール・フェイセズの影響を受けたバンドと評するほうが正確だと。
後にキース・ムーンが話していましたが、彼らはどちらかというとロッカーズで、売り出し戦略としてモッズを装っていただけですからね。
ポール・ウエラーもザ・フーに関する質問に辟易としていたみたいですし。
日本に限って言うと、やはり言語の問題は大きいかと。
某有名音楽評論家がディスクジョッキーを務めていた有名FM番組で、デビューしたてもザ・ポリスのRoxanneって言う曲をロクサンって紹介していたっていう笑い話がありましたよね。
Roxanne?ロクサン?ろくさん?六さん?
飯場の親方かよ!