遡る事40年ほど前、老舗モデル事務所のオスカーがアイドル事業に本格進出と話題になったことがあった。
それが女の子3人組のパンジーである。
別にグループアイドルではなく、デビューも別々でレコード会社もテイチク、VAP、CBSソニーとバラバラだった。
何か大きなイベント事ではパンジーとして集まるという、所謂たのきん方式ですかね。
でも、自分は映画一本でしか彼女らの共同作業を覚えてはいない。
一番長く活躍したのは北原佐和子さんである。
しかし、アイドル歌手としてではなく、アイドル廃業以降の女優としてである。
アイドルとしては一番オーソドックスで一番つまらなかった。
でも、アイドル人気は一番あったと思う。
まあ、他の二人の人気が無さ過ぎたという事もあるが。
真鍋ちえみさんは、CBSソニーだけあって一番音楽的に評価も高く、阿久悠さん作詩、YMOの細野さんの音楽面で全面パックアップのデビュー曲「ねらわれた少女」などは、今聴いても、とてもアイドルの曲とは思えない仕上がりになっている。
それだけに普通のアイドルファンには受け入れられなかった。
本人も、他の二人がフリフリの衣装に聖子ちゃんカットで可愛い曲を歌っているのに、なんで私だけと卑下していたようだ。
最後の三井比沙子さんは、デビュー曲が「月曜日はSick Sick」という所謂キワモノ系であった。
作曲はヒットメイカーの筒美京平先生なのだが、何故か作詩がお笑いの構成作家さんという組み合わせで、タイトルのSick Sickとシクシクと九九の4×9の語呂合わせの歌詞やコーラスがなかなか泣かせます。
セカンドの「デンジャラスゾーン」も同じ作家メンツで、タイトルから期待はさせるが、入っちゃダメダメ、デンジャラスだぞ!みたいな歌詞で軽く眩暈がした記憶がある。
歌唱力的にも北原>真鍋>三井で、その素晴らしい歌唱が一部の歌ヘタマニアの間で話題になった……のか?
ちなみにルックスでいうと、世間一般でいう所の美人に一番近かったのは三井で、北原は一般的アイドル顔、真鍋は中性的なイメージ売りだったので戦力外という感じだった。
でも、あの頃のほうが今の金太郎飴みたいに、みな同じような顔のアイドル事情とは異なり、面白かったと言えば面白かったのである。
とんでもないものが、末端や地下からではなく最大手からデビューするという意味もありで。