と言っても皺の多いオネエの人の話ではない。
最近、探していた水族館レーベルのCDを購入したことは書いた。
聴き馴染んだ音ではあり、古臭さも感じつつ、やはり良いものは良いなと。
で、あまりセールス的には芳しくなかったが、個人的に小さな声ではあるが、これは名盤だと叫びたい、いやもとい囁きたいアルバムのことを書いていこうかと。
本日はクリスのプードルです。
クリスっていうのは、10歳くらいのハーフの女の子で、何故か彼女の音楽プロデュースを鈴木K一さんがやっているんですよね。
このプードルが良いんですよね。
歌い手本人が低年齢女子ということもあって、ロリータ臭プンプンなんですが、ロリと言ってもフランス・ギャルを筆頭にしたフレンチ・ロリータの系譜ですね。
クリスさんも、歌い上げるタイプには程遠く、また、お世辞にも上手くもない。
そもそも、あまり歌に興味があったようにも見えなかったし。
ごくごく普通の小学生に、ちょっとだけボイトレを受けさせてレコーディングしちゃった程度の歌唱力かしら。
そこがまたフレンチ・ロリータ風味と相性がよろしいかと。
しかし、バックで演奏を努めるのはムーンライダーズの手練の面々ということで、ただのフレンチ・ロリータにはならず、ニューウエィブ・フレンチ・ロリータ(なにそれ?)な仕上がりに。
詩は、ハルメンズのレーダーマンの詩を書いていたFOXこと高橋修さんの詩が秀逸です。
また、どんな因果があったのかシングルにもなったアルバムトップの曲は、作詞がサンハウスの菊こと柴山俊之、作曲が頭脳警察のPANTAと非常に恐ろしくも怖いメンツながら、とても二人が書いたとは思えない仕上がりに二度びっくりいたしました。
他の詩や曲は当然、K一さんやフーちゃん、徹さんなども書いていて、それぞれ出色の出来なんですが、これまたどこからのつながり?というKURO/西岡恭蔵チームの楽曲もあったりして、そこらへんは少し味がぼやけるところかと。
あと、1曲だけ近田春夫さんが似てない似顔絵という曲を提供しているのですが、近田さんにしてはセンチメンタルな詩とメロディに、白井良明さんがアバンギャルドなアレンジを施した名曲、迷曲?に仕上がっていて、これも聴きものかと。
という風に歌い手さんの声や歌唱も含め、音としてはどストライクなのですが、個人的にはジャケットがちょっとね。
水面から顔だけを出した風なクリスさんのポートレートなのですが、これがあまり可愛くない。
動く彼女の映像を拝見した事があったのですが、もっと可愛かった印象があるので、そこは少し減点かな。
音楽産業が配信に移って来ている昨今に、こうしてレコード盤→CD盤アルバムのことをつらつらと書いているのは、ジャケットも重要なファクターのひとつだと認識しているからにほかなりませんからね。
ちなみにクリスさん、この数年後にメディアを少し賑わすんですが、それはまた別の話で。
ということで締め。