手塚先生のばるぼらを読む。
手塚先生は多作な人なので、把握していない作品もたくさんある。
この作品もそのひとつ。
まったく事前情報なしに買ってみた。
買った後で調べてみたら、映画にもなっていたらしい。
キャストが二階堂ふみさんと元スマップのゴローちゃんだったらしいのだが、ちょっとイメージが違うかな。
作家さんはもう少し壮年なイメージだ。
二階堂さんの場合はイメージ以前に、あの年代であの役柄だと彼女しかやり手がいないだろうという消去法かしら。
ばるぼらという名前は手塚先生の造語らしいのだが、まあ人間ではない。
芸術の神か悪魔の化身かしらね。
人そのものよりも、その人のアートに吸い寄せられるように惹かれていく存在らしい。
主人公の作家さんはノーマルなセックスが出来ない性癖でそれを悲観しているらしいのだが、それもストーリーが進むうちに有耶無耶になっちゃうし、どこまでが現実描写なのか、作家先生の脳内描写なのかの判断が難しく、また、ばるぼらも死んだのに、何も説明も無く違う名前で再生していたりと、ここらへん辻褄がきっちりしていないとすまない性格の読者には厳しいかな。
後半、黒魔術が出てきたりするのは少し残念でしたね。
ああいう分かりやすい構図は出して欲しくなかった。
手塚先生も読者に阿ったんですかね。
まあ、面白い面白くないでいったら面白いんですがね。
手塚先生なんで平均点が高いもので。
そこらへん鑑みても。
映画にしたがるような漫画でもありますね。
でもまあ、読む人を選ぶ作品ではあるかも。