自分が好きな漫画家の一人である諸星先生の作品でございます。

木星の衛星探査から帰還した宇宙船が、ウィルスとも細菌とも言えない、人知では理解が出来ない何かを地球に持ち帰り、それが恐ろしいスピードで広がり、あっという間に生物が機械(人工物)と同化して、ひとつの生き物(のようなもの)になってしまうという話でございます。

宇宙船開発に関わる父親を持つ少年が、既に機械との同化してしまった父親から機械や金属から離れろとの最後の忠告を受け、自然の中でホームレス的な生活をしている青年のもとへ逃げ、おそらくは逃げ延びるのであるのだが、人類の存亡に関わることよりも宇宙船を見ることが出来なかったことを悔やむラストシーンが印象的でしたね。

感染が広がる中で、機械から道路、電話線を伝わってまでと、およそ人口のも全てを飲み込む何かは本当に恐怖です。

しかし、それによってあらゆるものと同化してしまった人間や、それを開発した異性人によると、それこそが永劫の平穏であり、幸せであり、科学の勝利なのである。

諸星先生の、デビュー作では無いが、おそらく世に名を知らしめた作品で、確か、手塚賞を受賞したんですよね。

その際、新人の作品にしては、あまりにもストーリーの完成度が高いので、他に類似作品が無いか(つまりパクリではないか)と、物議を醸したらしいです。

この後、あの暗黒神話を少年ジャンプで連載を始められるんですよね。

連載当時は人気が全く無かったと記憶していますが、自分は大好きな作品で、暗黒神話を読むためにジャンプを買っていましたね。

生物都市は先生の文庫選集に載っていますので、興味があるようでしたらぜひ。

暗黒神話は単行本が出ています。

加筆された愛蔵版も出ていますが、個人的には加筆されていないほうが好きです。

こちらもぜひ。

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